説教『平和をつくりだす人』(マタイ5:9)

2015年 8月9日   平和全体礼拝・説教要約
説教『平和をつくりだす人』(マタイ5:9)

p_016
◎ 皆さん、おはようございます。今日は8月第二日曜日、礼拝を捧げる日です。今日は、大人の人、子ども達が一つになって礼拝を捧げます。猛暑のために教会に来れない人もおられますが、心を一つにして礼拝を捧げましょう。さて、今日は、8月9日ですが、この日は何の日でしょう。そう、長崎に原爆が落ちた日です。朝の11時2分、爆発した一発の原爆で7万人以上の人が亡くなりました。その前の8月6日に広島に落ちた原爆では10万人以上の人達が苦しみながら亡くなっています。この戦争は1945年8月15日に終わりましたが、この第二次世界大戦によって日本人・中国人・朝鮮人・フィリピン人などアジアの人達、ドイツ人・イギリス人・ロシア人などのヨーロッパの人々など多くの人々、約5000万人が亡くなっています。家族を失った人達はどんなに悲しく、辛かったことでしょう。この辛く、悲しい戦争を体験した人達は、もう二度と戦争をしてはいけない、平和な国・平和な世界を作って行かなければならないと決意しました。日本の国も、憲法という一番大事な法律の中に戦争を二度としないことをはっきり書き、この70年間、戦争をすることはありませんでした。でも、世界を見渡すと、世界のどこかで戦争が起こっています。ではどうしたら世界が平和になっていくのでしょうか。

◎ 今日、最初に読んでいただきました聖書の言葉はイエス様の言葉です。「平和をつくり出す人達は幸いである。彼らは神の子と呼ばれるであろう」。それでは、「平和をつくり出す」とはどういうことでしょうか。そのことを考える前に、「平和とは何でしょうか」。今日配られた「つのぶえ」8月号に三宅文子さんの文章が載っています。「平和ってどんなこと?」という質問に対して「戦争をしない。爆弾なんか落ちない」、「お腹がすいたらだれでもご飯が食べられる」、「友達といっしょに勉強できる。好きな歌が歌える。思いっきり遊べる」とありました。戦争がなく、自由に好きなことができること、だれでもご飯が食べられること、これが平和だと言えます。最後に「平和って僕がうまれてよかったということ」とあります。皆が生まれてきてよかったと思い、皆が仲良く笑顔で幸せに暮らせること。これが平和だと言えますが、この平和はまだ世界中で実現していません。

◎ それでは、どのようにして平和をつくり出して行けるのでしょうか。皆が仲良く、笑顔で幸せに暮らすためにどうしたらいいのでしょうか。それは、まず第一に、自分の方から優しく、親切に、思いやりをもって人に接することが大切です。人に対して、いじわるをせず、冷たくせず、いつも相手を尊敬し、大切にし、優しく、親切に、思いやりを持って接する時、仲良く平和に過ごすことができます。でも、もし、友達と仲が悪くなった時、ケンカが起こりそうな時、どうしたらいいでしょうか。それは、友達に「なぜ、そうするの。なぜ、冷たくするの。なぜ、いじめるの」と聞くことです。すると、友達は「けさ、お母さんに叱られたの」と言うかもしれません。何事にも原因や理由があります。それを聞いて、相手を理解することが大切です。そして、もし、自分の方が悪かったら「ごめんなさい」と素直に謝ることが大切です。仲たがいの原因を取り除くことが大切ですね。

◎でも、もしお友達から「バカ」「死ね」とかひどいことを言われたり、暴力を振るわれ、殴られた時、どうしたらいいでしょうか。「やめて!」ということも大切ですし、逃げることも大事です。先生や両親に相談することも大切です。それと同時に大切なことは、やり返さないことです。イエス様は「やり返してはならない。右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい。下着を摂ろうとする者には上着をも与えなさい」と教えています。それはどうしてでしょうか。それは、やり返すとケンカが始まり、それはエスカレートします。そして、どちらかがケガをしたり、傷を負います。両方ともけがをするかもしれません。これは戦争も同じです。ある国が攻撃した時、攻撃した国に攻撃を加える。すると戦争が起こります。戦争は負けた国も勝った国も犠牲者が出ます。たくさんの人が死にます。戦争は互いを滅ぼします。イエス様は「剣を取る者は、剣にて滅びる」と教えました。やられたらやり返すこと・復讐することは滅びにつながります。どんな時もやり返さない・復讐しないことが大切です。

◎しかし、平和をつくり出す時に、最も大事なことは「愛すること」です。イエス様は「敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」と教えました。私達は仲の良い人を愛しますが、嫌いな人を憎んでしまい愛しません。好きな人には挨拶をし、嫌いな人には挨拶をしません。でも、イエス様は嫌いな人にも親切にし、挨拶をし、愛しなさいと教えます。それはなぜでしょう。それは、私達の父なる神様は、善人にも悪人にも太陽を昇らせ、雨を降らせてくださる方だからです。神様は区別なく愛される。神様の前には敵も味方もない。すべての人が神様の子どもだからです。私達は兄弟姉妹です。だから敵を愛しなさいと教えるのです。愛こそ平和をつくり出すのです。

◎でも、敵を愛することは難しいことです。そうしたら敵を愛せるでしょうか。それは祈ることによってです。

イエス様は「敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」と教えています。祈りは大きな力です。祈ることで神様から愛と力を受けます。祈ることによって敵を愛せるようになるのです。祈りは平和を作り出す根源なのです。