説教『平和は人の心から生まれる』(エフェソ2:14~16)

2014年8月10日        平和を祈る全体礼拝・説教要約
説教『平和は人の心から生まれる』(エフェソ2:14~16)

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◎皆さん、おはようございます。今日は、大人の人と子ども達が一つになって礼拝を捧げる全体礼拝です。
特に、今日は、「平和を祈る礼拝」を捧げます。8月という月は、日本に住む私達にとって忘れることのできない月です。8月6日は広島、9日は長崎の原爆の日でした。また、今週の金曜日、8月15日は日本が第二次世界大戦に敗れた日、敗戦の日であり、終戦の日です。この第二次世界大戦では、日本では約300万人が無くなりました。アジア全体では約2000万人が、また、世界全体では約6000万人が犠牲となったと言われています。この戦争が終わった後、戦争は二度とすべきではない、絶対にしてはいけないと決意し、憲法を定め、平和を誓いました。そして、それ以来、これまで日本は戦争をしてこなかったのです。
◎今、日本は平和ですが、世界を見渡すと、戦争をしている国や地域がいくつかあります。では、戦争を起こさないためには、そして、平和であり続けるためには何が必要なのでしょうか。それは、まず、平和を深く味わい、平和はいいなと心から思い、また、感じ、平和を大切にすることではないかと思います。
◎ここに一冊の絵本を持ってきました。これは、去年の6月23日、沖縄の平和祈念公園で、沖縄の戦争で亡くなった人達を思い起こす式典があったのですが、その式で読んでくれた沖縄の与那国島で暮らしている当時・小学校1年生の安里有生(あさと・ゆうき)君の詩を、絵本作家の長谷川義史さんが絵を描いて作られた絵本です。『へいわって すてきだね』という本です。すばらしい絵本です。こんな詩です。
「 へいわって なにかな。 ぼくは、かんがえたよ。 おともだちと なかよし、 かぞくが げんき、えがおで あそぶ。 ねこが わらう。 おなかが いっぱい。 やぎがのんびり あるいている。
けんかしても すぐなかなおり。ちょうめいそうが たくさんはえ、よなぐにうまが ヒヒーンとなく。みなとには フェリーがとまっていて うみには かめやかじきが およいでいる。やさしいこころが にじになる。へいわっていいね。へいわってうれしいね。みんなのこころから へいわがうまれてくるんだね。 せんそうは、こわい。 『ドドーン、ドカーン』 ばくだんが おちてくる こわいおと。おなかが  すいて くるしむ こども。かぞくが しんでしまって なくひとたち。
ああ、ぼくは へいわなときに うまれて よかったよ。このへいわが、ずっと つづいてほしい。
みんなの えがおが 、ずっと つづいてほしい。へいわな かぞく、へいわな がっこう へいわなよなぐにじま、 へいわな おきなわ。へいわな せかい、 へいわって すてきだね。
これからも、ずっと へいわが つづくように、ぼくも ぼくのできることから がんばるよ。」

◎すばらしい詩ですね。平和ってどういうこと? 有生くんは、「お友達と仲良し、家族が元気、笑顔で遊ぶ。猫が笑う、お腹がいっぱい。やぎがのんびり歩いている。長命草が生え、与那国馬が元気になく」、と書いています。そういう、皆が笑顔で元気で仲良しの生活、普段の生活の中に平和があるというのです。しかも、人間だけでなく、猫やヤギや馬や亀が穏やかに生きている。草が生えている。そういう生き物や自然の姿の中に平和があると有生くんは言うのですね。逆に、戦争はそういう平和な生活を壊すものです。
人が殺され、生き物達や自然が死んでいく。それが戦争です。沖縄では、日本で唯一の地上戦が行われた所です。銃で撃ち合い、戦車で攻撃する。そういう戦いが起こり、約20万人の人達が死んだといわれています。有生くんは、そういう戦争の話も聞いていたのでしょう。だから、平和のありがたさが分かるのですね。その戦争は、今も起こっています。そして、多くの大人や子ども達が殺されています。
◎では、どうしたら、この世界が平和になるのでしょうか。どうしたら平和な世界を作れるのでしょうか。
難しい問題ですが、さっき読んだ詩の中にこういう言葉がありました。「みんなのこころからへいわがうまれてくるんだね」。平和と言うのは、私達の心の中から生まれるというのです。私達の心がイライラしているとケンカが始まります。心の中に怒りや憎しみがあるとケンカが起こります。逆に、心の中が平和だと人と仲良く過ごすことができます。でも、心の中がいつも平和と言うのはむずかしいことです。でも、さっき読んだ聖書には「キリストは私達の平和です。キリストは十字架によって敵意を滅ぼしました」と書いてありました。イエス様が私達に平和を与えてくださるのです。だから、私達はいつもイエス様を心の中にお迎えして、心の中が平和であるように祈っていきましょう。そして、そこからそのイエス様の平和を私達の周りに広げていきましょう。その平和が世界に広がって行った時、世界はきっと平和になるはずです。私達は、これからもイエス様を心の中にお迎えして、平和を祈り、平和を広げていきましょう。