説教『大人になるってどんなこと?』(フィリピ3:3~5)

2017年3月12日           主日礼拝・説教要約

   説教『大人になるってどんなこと?(フィリピ3:3~5)

◎おはようございます。今日は3月12日、今年度最後の全体礼拝です。今は卒業シーズン。皆さんの学校や幼稚園でも今週、卒業式・卒園式が行われる所があるでしょう。私たちの教会でも、この3月に卒業・卒園するお友達がいます。今日は、そのようなお友達やお兄さん・お姉さんのことを心に覚えながら一緒に礼拝を捧げます。

◎さて、卒業・卒園すると上の学校に進みます。幼稚園から小学校、小学校から中学校、中学校から高校へと進み、高校や大学を卒業すると就職して仕事につきます。そうやって一つ一つ大きくなり、大人になっていきます。

それで、今日は「大きくなるってどういうこと?」、「大人になるってどういうこと?」というお話をします。

ところで、皆さんは「大きくなるってどういうこと?」「大人になるってどういうこと?」と聞かれたら、何と答えますか。ちょっと難しいよね。「大きくなるって、大人になるってどういうことか」、考えると難しいです。

 

◎そこで今日は一冊の絵本を持ってきました。『おおきくなるっていうことは』という本です。読んでみます。 「おおきくなるっていうことは」。「おおきくなるっていうことは、ようふくが ちいさくなるってこと」。

「おおきくなるっていうことは、あたらしい はが はえてくるってこと」。「おおきくなるっていうことは、みずに かおをながく つけられるってこと」。「おおきくなるっていうことは あんまり なかないってこと」。「おおきくなるっていうことは まえより たかいところに のぼれるってこと」。「おおきくなるっていうことは たかいところから とびおりられるってこと」。「それもそうだけど とびおりても だいじょうぶかどうか かんがえられるってことも おおきくなるっていうこと」。「おおきくなるっていうことはなんでもかんでも たべたりしないってこと」。「おおきくなるっていうことは シャンプーだって いやがらないってこと」。「おおきくなるっていうことは おもしろいことが どんどん みつけられるってこと」。

「おれ、4さい」、「わたし、5さい」、「おれのおにいちゃん、7さい」「わたしのおねえちゃん、9さい」、「ぼくのおかあさん、34さい」、「わたしのおとうさん、40さい」、「ぼくのおじいちゃん、70さい」、「わたしのひいばあちゃん、99さい」、「……」。「おおきくなるっていうことは じぶんより ちいさなひとが おおくなるってこと」。「おおきくなるっていうことは ちいさなひとに やさしくなれるってこと」。

「おおきくなれるってことは そういうこと」。「またひとつおおきくなったね おめでとう みんな」。

 

◎この絵本の中に「大きくなるって、大人になるってどんなこと?」という質問の答えが、かくされているように思いました。私が見つけたのは、2つのことです。一つは、「それもそうだけど とびおりても だいじょうびかどうか かんがえらえるってことも おおきくなること」というところです。つまり、だいじょうぶかどうか、よく考えて、正しく判断する力を持つということです。私たちはいつも「これでいいのかな」「どっちが正しいのかな」ということが問われます。何が正しいのか、何が間違っているのかを良く考え、正しく判断する力が必要です。さきほど読んだ詩編119編に「主よ、確かな判断力と知識をもつようにわたしを教えてください」という言葉がありましたが、大人になるとは「確かな判断力と知識を持てる人」を言うのだと思います。そのためには、幅広く学び、深く考え、正しく判断する力が持てるように、しっかり学ぶ必要があります。

 

◎もう一つのことは、「おおきくなるっていうことは ちいさなひとに やさしくなれるってこと」とありました。 そう、お友達や自分よりも小さな人達にやさしくなれるっていうことが、大人になったことの証拠です。先ほど読んでもらったフィリピの手紙にも「何ごとも利己心や虚栄心からするのではなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、めいめい自分のことだけでなく、他人のことにも注意を払いなさい」とありました。そのように、自分のことだけでなく、他人のことをよく考え、他人にもやさしくされるようになれることが大事ですね。実はイエス様もそういう人でしたね。イエス様は自分のことよりも他人のことを大事にされました。

そして、他人のために御自分の命まで捧げた人です。イエス様のようにどんな人にも優しく、親切になれることが大人になったということではないでしょうか。他人に優しい人、これが大人であるといっていいでしょうね。

 

◎最後にもう一つだけつけ加えます。今日読んだローマの手紙の5章に「そればかりでなく、苦難をも誇りにしています。わたしたちは知っているのです。苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを」とありました。これは苦難の中から本当の希望が生まれることを教えています。逆に言うと、本当の希望をもっていれば、どんな苦しみにも耐えられることを教えています。大人の人とは、本当の希望を持っている人のことを言うのだと言っていいでしょう。本当の希望を持っている人は、どんな試練や苦難にも耐えることができます。苦しいことや悲しいことがあっても、最後まであきらめないで目標を目指していきます。そのような人は大人と言っていいでしょうね。どうか皆さんも、神様に導かれて、すばらしい大人になれるように頑張ってください。