説教『たいせつなあなた』(イザヤ43:4節前半)

2017年1月8日          新年全体礼拝・説教要約
説教『たいせつなあなた』(イザヤ43:4節前半)

◎2017年に入って2回目の主の日を迎えました。今日は、大人と子どもたちが一緒に礼拝を捧げる新年全体礼拝です。新年を迎えて、お一人お一人が夢や目標を抱いておられることと思いますが、それぞれの夢や目標に近づいていけるように、そして、この2017年がお一人お一人にとって素晴らしい年になりようにと祈ります。

◎さて、皆さんはお正月をどう過ごしましたか。おせちやお雑煮を食べたり、ゲームをしたり、お年玉をもらったり、家族のみんなで楽しく過ごしたことでしょう。改めて家族はいいものだなと思ったと思います。私も1月2日から5日まで九州の福岡に帰り、妻子と共に過ごしました。私には小学校2年生になる女の子がいまして、名前を愛恵(めぐみ)といいます。本を読むのが好きな子ですが、運動も好きで、この前、行われたマラソン大会で2番になりました。その愛恵に毎年、クリスマスには絵本を贈っていますが、この前のクリスマスに贈ったのは、この本です。『たいせつなきみ』「たいせつなあなた」という本です。今日は、この絵本を紹介しながら、一人一人がどんなに大切かということ、特に、私達を造られた神様からすると、この世界中に生きているすべての人、一人一人がどんなに大切か、どんなにかけがえのないものであるかということを心に刻みたいと思います。

◎昔、木で作った木の小人たちが住む村がありました。その木の小人は、みな、エリという彫刻家が彫ったんだ。エリの仕事場は小人の村を見下ろす丘の上にあった。小人たちは色々なかっこうをしていた。大きな鼻の人、大きな目をした人、のっぽくんに、おちびさん。帽子をかぶった人や上着を着た人。皆エリが作ったんだ。小人たちは、毎日、朝から晩まで同じことをしていた。シールをくっつけあうんだ。小人たちは皆、金ぴかのお星さまシールと醜い灰色のだめじるしシールを別々の箱にもっていて、互いにお星さまとだめじるしをくっつけあって暮らしていた。つるりと滑らかな木でできて、絵具もきれいに塗られたかわいい小人たちは、いつもお星さまをもらっていた。でも、木ができぼこだったり、絵の具がはがれていたら、だめじるしをくっつけられるんだ。

◎才能のある小人たちはお星さまがもらえた。頭の上に大きな棒を持ち上げたり、高く積んだ箱を飛び越える小人がいた。すてきな歌を歌えるのがいた。そんな小人にはお星さまが付けられた。お星さまをもらうと気分は最高!だけど、何もできない、ぶきっちょな小人もいた。そんな小人たちは、醜いだめじるしをつけられるんだ。パンチネロはそんな小人の一人だった。高く積んだ箱を飛んでみたけど失敗した。すると、だめじるしをつけられた。ある時は、失敗して木にかすり傷。するとまただめじるしをつけられた。言い訳しようとしたら、また、だめじるし。しばらくすると、体中、醜いだめじるしだらけ。もうお家からでるのかいやになった。帽子を忘れやしないか、水たまりに落ちはしないか、へまをしたら、まただめじるしだ、そうやって心配でならなかった。「あいつはだめなこびとだな」、みんなからそう言われて、パンチネロはそういわれても仕方ないと思うようになった。そして、同じようにだめじるしをつけられた小人たちと一緒にいた。その方が楽だったからね。

◎ところがある日、お星さまもだめじるしもつけていない小人に出会った。名前はルシア。ルシアにはお星さまをつけようとしても、だめじるしをつけようとしてもくっかない。パンチネロはあんなふうになりたいと思った。それでルシアに聞いてみた。「シールが付かないようにするためには、どうしたらいいの」。すると、「毎日、エリに会いに行くの。エリの仕事場に行って、いっしょにお話するのよ」。パンチネロはエリが会ってくれるか心配だった。でも、パンチネロは思い切って丘の上にあるエリの仕事場に行った。仕事場は何もかも大きかった。背の高いこしかけ、腕くらい長いかなづち。「やっぱりよそう!」と思って、帰るととした、その時、「パンチネロかい?」と低い大きな声がした。エリだった。「パンチネロかい、会いに来てくれたんだね。わたしに顔を見せておくれ」。「ぼくの名前、知っているの?」「もちろん、知ってるさ。お前を創ったのは、私だからね」。

◎エリはだめじるしを付けられたパンチネロをじっと見て言った、「ずいぶん、たくさん、つけられたね」「ぼく、一生懸命にやったんだ」「ああ、何もかも分かっているよ。いとしい子。ほかの小人がお前のことを何と思うとかまいはしないさ。皆がどうおもっているかなんて たいしたことじゃない。問題は、お前を作った私がどう思っているかだ。私はお前のことをとても大切に思っている」。「どうしてぼくのことが大切なの」「それはね、お前がわたしのものだからさ。だから大切なんだ」。パンチネロはうれしかった。エリは言った。「私は毎日、お前がここに来てくれることをまっていたんだ。お前が私の愛を信じたなら、シールなんてどうでもよくなるんだ」。「わすれちゃいけないよ。この手で作ったからお前はわたしにとって大切だってことをね」。パンチネロが心の中で「ありゃ、本当だ。ぼくは本当に大切なんだ」、そう思った時、だめじるしは地面に落ちたのだった。

◎このエリとは神様のことです。私達を造った神様は、私達を大切に大切に思っておられるのです。私達はとても大切な存在なのですね。私達はこの1年、「君は大切だ」と言われる神様を忘れずに元気に生きて行きましょう。