2014年5月11日 母の日・全体礼拝・説教要約
説教『子の命を守る母と神』(列王記上3:22~28)
◎5月の第二日曜日を迎えました。今日は今年度1回目の全体礼拝です。今日は母の日を覚えて礼拝を捧げます。この「母の日」は今から107年前、アメリカの教会で始まりました。アンナ・ジェービスという女性が亡き母の2周年を記念して1907年の5月第二日曜日に教会で集会を持ったのが最初だったといいます。それは、教会学校の教師をしていたアンナさんの母親がモーセの十戒の一つ「あなたの父母を敬え」について話をして、「皆さんはお母さんからたくさんのものを与えられました。そのお母さんにどんな方法で感謝の気持ちを伝えるか、よく考えてください」という課題を出した、その長年の課題に答えたものでした。その時、アンナが母の好きだったカーネーションを参加者に贈ったことに教会員が感激し、その後、教会で母への感謝を表す日を設けました。それが後に全米に広がり、1914年、アメリカの大統領が5月の第二日曜日を母の日とする決定をするに至ったのでした。この母の日は、やがて全世界に広がりました。
◎ では、なぜ、お母さんにありがとうと言うのでしょうか。それは、お母さんが私を産み、大切に育ててくれたからですね。そして、今もお母さんは、毎日、皆が食べるご飯を作ってくれるし、お掃除や洗濯もしてくれたり、いつも色々なことをしてお世話をしてくれ、また、大切にしてくださっています。
◎ お母さんが、どれだけ子どものことを大事にしてくれているか。今日は、そのことを聖書のお話を通して、心に留めておきたいと思います。今から3000年程前のイスラエルという国の王様であったソロモンという王様の話です。ある村に二人の女の人が一緒の家に住んでいました。その二人は同じ時期に赤ちゃんを産みましたが、一人の女の人は寝ている時に誤って赤ちゃんを押し付けて死なせてしまいました。それでその女の人はもう一人の女の人の赤ちゃんと交換してしまいました。それで生きている赤ちゃんを巡って二人は自分の赤ちゃんだと主張し、譲らないために、正しく裁いてもらおうと、ソロモン王の所に来たのでした。王は二人の主張を聞き、二人が「これは私の赤ちゃんだ」と譲れないので、王は、「この生きている赤ちゃんを二つに裂きなさい。そして、半分をこの女に、もう半分をもう一人の女に分け与えよ」。すると、本当の母親である女性が言いました。「王様、お願いです。この子を生かしたまま、この女の人にあげてください。この子を絶対に殺さないで下さい」と。それに対して、もう一人の女性はこう言いました。「この子をわたしのものにも、この人の物にもしないで、どうぞ、裂いて分けてください」。この二人のお母さんの言葉を聞いた王は、「この子を生かしたまま、さっきの女に与えよ。この子を殺してはならない。さっきの女が本当の母親だ」、そう言って、赤ちゃんは母親の元に戻ったのです。この話を聞いたイスラエルの人達は王をたたえました。ソロモン王の中には神様の知恵が働いていると人々は讃えたのです。
◎ では、ソロモン王は、どうして本当のお母さんが分かったのでしょうか。それは、本当のお母さんが、「殺さないでください」と言ったからです。つまり、どんなことがあっても、自分の子どもを「助けてほしい、殺さないで」と言うのが、お母さんだということ。たとえ、自分がこの子のお母さんではなくなっても助けてほしいと訴えるのが本当のお母さんだということ。そのことをソロモン王は知っていたのです。
お母さんとは子どもの命を自分の命を懸けて守る人、わが子の命を最も大切に守ってくれる人なのですね。だから、いつもわが子はどうしてるかな、だいじょうぶかなと心配しておられるのですね。それはどうしてでしょう。それはわが子を愛しているからです。我が子を愛しているから、お母さんはみんなのことをいつも心配し、いつも守ってくれるんですね。それは、人間だけではありません。動物たちもそうですね。ライオンも像も、キリンも、どんな動物も、お母さんやお父さんは子どもを命をかけて守ります。そういう姿を見ると、神様は、こうやって人間をつくり、動物たちを造ったんだ、すごいなと思います。お母さんと子どもは深い深い愛情によって結ばれています。そのように神様は人間も、動物も作られたのですね。
◎そのお母さんの愛情はどこからくるかというと、私は神様から来ると思います。神様は私達を死ぬほど愛しておられる。その証拠に、神様は大切な子どもであるイエス様の命を私達に与えてくださった。自分の命以上に大切なわが子の命・イエス様の命を与える程、私達を愛してくださっている。そのような神様の愛を教えるために、神様は私達にお母さんを与えたのかもしれません。お母さんの愛情は神様から来ている。お母さんの愛情の源は神様の愛なのですね。だから、今日の母の日には、「おかあさん、ありがとう」とお母さんに向かってありがとうを言うだけでなく、神様にもありがとうを言いましょう。「神様、お母さんを与えてくれてありがとう」、そういって、神様にも「ありがとう」を言えたらいいですね。