２０１４年６月１日 花の日・子どもの日・全体礼拝・説教要約
説教『小さくされた人の中に神様はおられる』(マタイ25：34～40）
◎おはようございます。今日は、１週間早いのですが、「花の日・子どもの日」の礼拝を捧げたいと思います。「花の日・子どもの日」とは、「母の日」と同じようにアメリカの教会で生まれたものです。教会の子ども達が各家庭の庭から持って来た美しい花を病院に入院しておられる人達を慰めるために持って行く。そのように美しい花々に感謝すると共に、その花々を入院しておられる方々や施設で寂しく過ごしておられる方、消防署や警察署などで日夜、働いておられる方々に届け、慰め、励まし、感謝する。そのように子ども達の思いやりや信仰を育てる日として６月の第二日曜日を「花の日・子どもの日」としたのでした。
◎ 今朝も「福音の家」に行き、おじいちゃん・おばあちゃんにお花とカードを届けました。皆さん、喜んでくださいましたね。皆さんが喜んでくださると私達もうれしくなります。今日、私達はお花とカードを届けることで人に優しくすること・親切にすることの喜びと大切さを体験しました。貴重な体験でしたね。
◎ この「人に優しくすること・親切にすることの大切さ」をイエス様も教えておられます。さっき、聖書の言葉を読んでいただきましたが、ここにはイエス様が終わりの日にすべての人を裁くと語られています。イエス様が右と左に分け、右側の人達を祝福されます。そして、祝福された人達に向かってイエス様は、こう言われます。「あなたは私が飢えていた時に食べさせ、渇いていた時に飲ませ、旅をしていた時に宿を貸し、裸の時に着せ、病気の時に見舞い、牢にいた時に訪ねてくれた」。すると、祝福された人達は言います。「いつ、私はあなたが飢えていた時、食べさせ、渇いていた時に飲ませ、旅をしていた時に宿を貸し、裸の時に着せ、病気の時に見舞い、牢にいた時に訪ねましたか」と。すると、イエス様は、こう言ったと言います。「はっきり言っておく。私の兄弟である、この最も小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことなのだ」と。この世で最も小さくされた人達、貧しい人、病気の人、食べ物・飲み物・着る物・住む家がない人、牢に入れられた人達に心を掛け、親切にした人は、イエス様に親切にしたことなのだとおっしゃったと言うのです。言い換えれば、この世で小さくされた人の中にイエス様がおられると言うのです。
◎ このことを良く伝えるお話があります。ロシアの作家トルストイという人が書いた『くつやのマルチン』というお話です。今日のその絵本を持って来たので、読んでみましょう。「ある町にマルチンという靴屋さんが住んでいました。朝から晩までいっしょうけんめいに靴を作ります。でも、マルチンは悲しい気持ちで暮らしていました。マルチンの奥さんも子どももずっと前に死んでしまいました。マルチンの心はひとりぼっちでした。何だか寂しくて心の中には悲しい涙がつまっていました。でも、マルチンは聖書を読むと心が休まりました。聖書には神様の言葉が書かれています。マルチンは毎晩、夢中で聖書を読みました。
ある日、マルチンは夢の中でイエス様の言葉を聞きました。『マルチン、マルチン、明日行くから待っておいで』。翌朝、マルチンは外ばかりを見ていました。『本当だろうか。本当にイエス様に会えるのだろうか』。
◎窓の外では雪かきのおじいさんが疲れて立っていました。マルチンはおじいさんに声を掛けました。『少し暖まっていきませんか』。おじいさんは心も体も温まって帰っていきました。外は北風がびゅっと吹いています。外を見ると女の人が赤ちゃんをあやしています。赤ちゃんは泣き止まないし、女の人は夏の服のままで寒そうです。『もし おかみさん うちに入りなさい』とマルチンは声を掛けました。マルチンはパンとスープを食べさせ、自分の上着を渡しました。女の人は上着を受け取ると泣き出してしまいました。女の人は上着にあかちゃんをしっかりくるんで帰っていきました。今度は窓の外で大きな声が聞こえます。男の子がおばあさんのリンゴを取ろうとしたのでおばあさんはひどく怒っていました。マルチンは飛び出して叫びました。『おばあさん、ゆるしてあげなさい』。男の子には『おばあさんにあやまりなさい。こんなことはしてはいけないよ』と教えました。男の子はおばあさんに謝りました。二人は優しい気持ちになって帰っていきました。マルチンは家に帰り、暗くなってきたのでランプをつけ、聖書を読みました。誰かがそこにいるような気がしました。雪かきのおじいさん、赤ちゃんを抱えて女の人、おばあさんと男の子。その時、不思議な声が聞こえました。『マルチン、わたしがわからなかったのかい。あれは、みんな私だったのだ』。イエス様の声です。マルチンは喜びで心がいっぱいになりました。その時、マルチンが開いた聖書にはこう書かれていました。『貧しい人、力のない人、病気の人、家のない人の中に私はいます』と。
◎イエス様はどこにおられるのでしょう。すべての人の中におられます。特に、貧しい人・助けを求めている人の中におられます。私達はどの人にも優しくすると、そこにイエス様が見えてくるのですね。