説教『神様の愛が人を変える』(ルカ19:1~10)

2015年11月8日  子ども達を祝福する全体礼拝・説教要約
説教『神様の愛が人を変える』(ルカ19:1~10)

stam_010
◎ 今日は、子ども達と大人の人達が一緒に礼拝を捧げます。そして、その礼拝の中で子ども達を祝福する祝福式を行います。子ども達とそのご家族の上に神様の祝福がありますように皆で祈ります。その祝福式の前に聖書のお話をしますから、良く聞いてください。聖書のお話を聞き、神様を心から讃美し、礼拝したいと思います。

◎今日、お話するのは、さきほど読んでもらいました「ザアカイさんのお話」です。ザアカイさんの話は聞いたことがある人もいるかと思いますが、とても心に残るお話です。これは、イエス様がエルサレムという町に向かう途中で、最後に立ち寄られた町エリコで起こった出来事です。イエス様は私達を救うためにエルサレムという町で十字架に架かり、命を捧げられました。そこに行く途中でエリコの町を通られました。その町に住んでいたのがザアカイさんです。ザアカイさんのお仕事は税金を取る仕事です。当時、ユダヤ地方はローマ帝国に支配されていたのですが、彼はそのローマの手先となってユダヤ人から税を取っていました。しかも、必要以上の税金を取り、自分のものにしていましたから、お金持ちではありましたが、同じユダヤ人からは憎まれ、嫌われていました。そして、「罪人」と言われて、人々から軽蔑されていました。ザアカイさんは、お金持ちではありましたけれど、皆から嫌われ、軽蔑され、友達もなく、いつも独りぼっちで、とても寂しい思いをしていたのでした。

◎そう言う時に、イエス様がエリコの町にやってきました。イエス様は病気の人を癒したり、目の不自由な人の目が見えるようにしたり、手足の不自由な人を治したりしていましたし、イエス様の教えはすばらしかったので、イエス様の周りに大勢の人が押し寄せました。だから、イエス様が町に来たことを知った人達はイエス様の姿を一目見ようと、沿道に押し寄せていました。ザアカイさんは、イエス様を見たいと思って道に出てみましたが、人だかりで見えません。特にザアカイは背が低かったので、一向に見えません。それでザアカイさんはイエス様が通る道の先に行って高い木に登りました。高い木から一目イエス様を見ようと、イエス様をじっと待ちました。

◎イエス様がやってきました。そして、ザアカイさんが登った木の下に来ると、イエス様は上を見上げてザアカイさんに呼びかけました。「ザアカイさん、降りてきなさい。今日は、ぜひ、あなたの家に泊りたい」、イエス様はそういっしゃいました。ザアカイさんはびっくりしましたが、大変うれしく思いました。自分を名前で呼んでくださったばかりか、イエス様が自分の家に泊ると言うのです。これまで誰も泊ったことがない家に泊ると言うのです。ザアカイさんは大喜びでイエス様を家に連れて行き、おいしい料理をたくさん出してイエス様達と食事を共にしました。それを見ていた人達は「あのイエス様は、あの罪人、ザアカイの家に泊られた!」と言って、驚き、悪口を言っていました。でも、ザアカイさんは、そんな声は耳に入りません。ザアカイはイエス様と一緒に食事ができることがうれしくてなりません。ザアカイの心はイエス様の優しさに触れて、次第に暖かくなっていきました。そして、ザアカイさんはイエス様に向かってこう言ったのです。「イエス様、私は私の財産の半分を貧しい人に分け与えます。そして、お金をだましとった人たちにだましとった4倍のお金を返します」と。ザアカイさんは、これまでの自分を悔い改め、これまでの過ちの責任を取ること、そして、正しく生きることを誓ったのでした。すると、それを聞いたイエス様はこうおっしゃいました。「今日、神様の救いがこの家に来た。この人も信仰の父・アブラハムの子、神様の子どもなのだ。私は神様から離れていた人、神様を見失っていた人達を救うために来たのだ」と。そう言って、ザアカイさんが神様と共に生きる人になったのを喜ばれたのでした。

◎これが今日のお話ですが、私が今日のお話で考えたいのは、「どうしてザアカイさんの心は変わったのか」、と いうことです。どうしてザアカイさんの心は変わったのでしょうか。それはイエス様の優しい心、優しさ・愛に触れたからです。イエス様は、一人ぼっちのザアカイさんの名前を呼んで呼びかけ、「あなたの家に泊るよ」といって食事を共にし、泊ってくださった。そのイエス様の優しさ・愛が、ザアカイさんを大きく変えたのです。皆も、人に優しくされると優しくしたくなるでしょう。逆に、意地悪されたら、意地悪をしたくなりますよね。人は優しくすることで優しい人になります。人は愛を受けると愛を与える人になります。皆のクラスの中で意地悪な人や嫌な人がいるかもしれません。そういう人ほど、優しさを欲していると思います。愛を必要としています。イソップ物語に「北風と太陽」というお話があります。冬、寒くてマントを着ている人のマントを脱がそうとして北風は強い風を吹き付けますが、その人はマントをしっかりと身につけました。逆に太陽は暖かい日差しを注ぐとその人は暑くなってマントを脱ぎました。人の心を開かせ、人の心を変えるのは暖かい心、優しい心・愛です。ザアカイさんの心を変えたのは、イエス様の温かい愛の心、優しい心・愛でした。私達もまた、イエス様から、神様から、溢れる程の優しい心・愛を受けています。そのイエス様の愛、神様の愛をたっぷりと受けて、その愛を多くの人に注いでいきたいと思います。そして、神様の愛を私達の周囲に広げていきたいと思うのです。