説教『私達を救うための神様の御計画』(創世記45:3~8)

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◎今日は、新年を迎えて大人の人も子ども達も一つになって礼拝を捧げましょう。新しい年が始まって10日たちました。学校も始まり、皆さんも新たな思いで過ごしていることと思います。恐らく皆さんは、この1年の目標を立て、計画を立てて生活して行こうと思っていることでしょう。しかし、聖書の中には神様にも目標と御計画があることが書かれています。神様は、この世界を、そして、そこに生きる一人一人を、どのようにして目標に到達させようかと御計画を立て、それに従って私達を導いておられるのです。今日は、そのような神様の目標と
御計画があることを創世記に描かれているヨセフ物語を通して、心に刻んで参りたいと思います。

◎ヨセフ物語は、創世記の37章から50章まで続く、長い物語です。ヨセフという人は、そのお父さんがヤコブ、ヤコブのお父さんがイサク、イサクのお父さんがアブラハムというように、アブラハム・イサク・ヤコブに続く、アブラハムから4代目の人です。今日は絵本を持ってきました。長いヨセフ物語を短くしたものです。ヨセフさんはどのような人生を歩んだのか、そして、神様がどのように導いてくださったのかを一緒に見て行きましょう。

◎ヨセフは、12人兄弟の11番目、下から2番目の子どもでした。お父さんのヤコブは、ヨセフを誰よりもかわいがりました。お兄さんたちは、それがねたましくてなりません。お父さんがヨセフだけにりっぱな服を作ってあげるのを見て、ますますヨセフを憎くおもい、嫌うようになりました。ヨセフが17歳になった時のこと、ある日、お兄さんたちが野原で羊の番をしている所に、お父さんから食べ物を持って行くように頼まれたヨセフがやってきました。兄さんたちは、相談をしてヨセフを捕まえ、通りがかった商人に奴隷として売ってしまいました。そしてお父さんにはヨセフはオオカミに食べられたとうそをつきました。お父さんは激しく泣いて悲しみました。

◎ヨセフは、エジプトに連れて行かれ、王様の役人に売られました。ヨセフは、見知らぬエジプトに連れて来られ、これからどうなるのだろうと心配でたまりません。でも、神様がいつもヨセフといっしょにおられたので、ヨセフのすることは何でもうまく行きました。ところが、主人の妻は心のまっすぐなヨセフをうとましく思うようになり「あの召し使いはわたしにひどいことをしました」と主人にうそをつきました。それで怒った主人はヨセフをろうやにいれてしまいました。ヨセフは何も悪いことはしていないのに罪でろうやに入れられてしまいました。

◎しばらくすると、そのろうやに二人の人が入れられました。王様に仕える料理人と食事のお世話係です。二人はある晩、夢を見ました。食事のお世話係が見た夢は、3本のつるが生えたぶどうの木が出てきて、そのつるにはブドウが実っていて、それを王様のさかずきにしぼり入れたという夢です。料理人が見た夢は、頭の上に3つのカゴがのせられていて、カゴに入った料理を小鳥が食べたという夢です。するとヨセフは、三日の後に食事の世話係は王様にゆるされ、料理人は王様に殺されると言いました。三日後、ヨセフが言ったとおりになりました。

◎それから2年がたちました。ある晩、王様は夢を見ました。夢の中で、王様はナイル川のほとりに立っています。するとそこへ、美しい肥えた7頭の牝牛(めうし)が草を食べ始めました。次に7頭のやせた、みにくい牝牛が突然、川から上がって来ると美しい牝牛におそいかかり、7頭とも食べてしまいました。その夢を見た王様は、気になって仕方がありません。国中の学者に聞いても分かりません。誰一人、その夢の意味が分かることがいませんでした。それを聞いた食事の世話係がヨセフのことを思い出して、王様にヨセフのことを教えました。王様
はヨセフを呼び、夢の意味をたずねました。するとヨセフは言いました。「これから7年間は作物が豊かに実ります。けれど、つぎの7年間は作物が取れなくなります。神様はその飢饉(ききん)がひどいことを王様に教えているのです」。そして、ヨセフは「初めの7年間、できるだけ食べ物をたくわえて、つぎの7年簡にそなえるのです」と言うと、王様は感心して、ヨセフを王様の次に偉い大臣にしました。ヨセフは大臣として働きました。

◎さて、7年の豊作の後、大飢饉が始まりました。しかし、エジプトでは食糧を蓄えてあったので飢える人はいませんでした。他方、飢饉に苦しむ外国の人たちが大勢、エジプトにやってきました。ある時、ヨセフはその中に食糧を求めてやってきたお兄さんたちを見つけました。ヨセフと兄さん達は涙を流して再会しました。そして、ヨセフはお父さんのヤコブと再会し、その後、ヤコブとお兄さん達をエジプトに招き、幸せに暮らしたのでした。

◎これが今日の話ですが、創世記45章には、この時のヨセフの言葉が書かれています。「神がわたしをあなたたちよりも先におつかわしになったのは、あなたたちを生きながらえさせて、大いなる救いに至らせるためです。わたしをここへつかわしたのは、あなた達ではなく、神です」と。ヨセフがエジプトに売られ、後に大臣になったのは、エジプトの人々を救い、兄さん達を救うためだったのです。ヨセフはたくさん苦しみましたが、それも神様の御計画を実現するためだったのです。私達には見えませんが、私達は神様のご計画に従って歩んでいるの
です。その先にあるのは大きな幸せです。私達は神様の御計画に従って、大きな幸せに向って歩んでいるのです。